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生前贈与と相続税申告の関係

相続税申告の相談を受けていて、必ず聞かれる、もしくはこちらから必ずお客様に聞く事があります。それは、「亡くなった方から生前に受けた贈与」です。
相続税の対象になる財産は、故人の亡くなった時点の財産、というのが基本的な考え方ですが、もし相続で財産を取得した人の中に、故人から金銭や不動産その他財産の「贈与」を受けていた人がいる場合、その財産の価額を相続財産に加算し、相続税が課税されるケースがあります。

相続開始前3年以内に故人(被相続人)から贈与を受けた場合

「相続で財産を取得した人」が、亡くなった方から相続開始前3年以内に贈与を受けた場合、その財産の価額を相続財産に加算し、相続税が課税されます。これは、「亡くなった時点での財産に課税されるから、生前に贈与してしまって相続財産を減らせばいい。」という、相続税の租税回避を防止するために、相続税法で規定されており、一般に「生前贈与加算」と言います。

生前贈与に相続税が課税される例

例えば、令和1年7月10日に父が亡くなったとします。亡くなった時点の相続財産は5000万円です。しかし、生前に、相続人である息子に下記のような贈与をしていました。

平成31年1月31日 300万円 贈与
平成30年10月30日 200万円 贈与
平成29年10月30日 200万円 贈与
平成28年10月30日 100万円 贈与
平成27年10月30日 100万円 贈与

この場合、父が亡くなった日(令和1年7月10日)から3年以内の日(平成28年7月10日)までに息子に贈与した800万円(H31年300万+H30年200万+H29年200万+H28年100万)が、5000万円の相続財産に加算され、相続税が課税されます。

110万円までの贈与は非課税だから、加算しなくていいのでは?

この「生前贈与加算」の規定は、3年以内であれば、贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。したがって、余命があまりないと思って急いで110万以下非課税贈与をしても3年以内に相続が開始すれば相続財産に加算しなければいけません。

なお、贈与したときに贈与税を支払っていた場合は、生前贈与加算で課税された相続税額から、その支払った贈与税を控除できます。(したがって、相続税と贈与税の二重課税にはなりません。)

3年以内贈与でも相続財産に加算しなくてよい場合

以下の場合は、たとえ3年以内の贈与であっても相続税はかかりません。

  1. 相続で財産を取得していない人(孫など)への贈与
    生前贈与加算の規定は、「相続により財産を取得した人」に対して行われた贈与が対象ですので、相続で財産を取得していない人への贈与は、たとえ3年以内贈与でも、相続財産に加算する必要はありません。したがって、孫など、相続で財産を取得する予定のない人に対して贈与することで相続財産を減らすことが可能になります(当然贈与税はかかります。)。
  2. 贈与税の非課税の特例を受けた非課税部分
    ・夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除の特例を受けていた場合又は受けようとする財産のうち、その配偶者控除額
    ・父母、祖父母など直系尊属から受けた住宅取得等資金の贈与の特例によって、非課税となった金額
    ・父母、祖父母など直系尊属からの一括贈与による教育資金の贈与の特例によって、非課税となった金額
    ・父母、祖父母など直系尊属からの一括贈与による結婚・子育て資金の贈与の特例によって非課税となった金額

贈与税が課税される場合

亡くなった日から3年以内の日より前に、被相続人から受けた贈与は加算しなくて良い(相続時精算課税制度の適用を受けていた場合を除く)ですが、もし贈与した当時、贈与税が課税されるにもかかわらず、贈与税の申告も納税もしていなかった場合、これは贈与税の期限後申告や修正申告をしないといけないことになります。

相続税の申告とは直接関係ありませんが、出来る限り早く贈与税の申告をしないと、延滞税や無申告加算税といったペナルティの問題が生じます。

ただし、贈与税には申告期限から6年(偽りその他不正行為による場合は7年)という時効があります。したがって、実務的には相続税申告の時に贈与税の申告漏れがないかを合わせて確認するために、過去6年分の贈与を確認する必要があります。

そもそも贈与が成立していない場合
(名義預金、貸付金に該当するケース)

そもそも贈与が成立していない場合も、実務上多く見受けられます。つまり、名義預金や貸付金と認められるケースで、お互いに「あげましょう、もらいました」という意思表示がなかった(この意思表示が贈与の要件)と認められてしまう場合です。

  1. 名義預金と認められるケース
    口座名義は相続人の名前だが、実際に口座を管理していたのは被相続人だった場合(口座の贈与にあたらない)
  2. 貸付金と認められるケース
    被相続人の口座から、相続人の口座に金銭が移動していたが、贈与ではなく、相続人が勝手に引き出していた場合

これらの場合、たとえその行為が何年前であっても(実務上は10年前が妥当)、そもそも被相続人の財産のままであったと認められるため、相続財産に加算されてしまいます。

親族間の資金移動がある方へ

親族間の資金のやり取りがある場合、税務調査の対象とされる可能性が高いです。
税理士法人ブライト相続(神奈川横浜)では、相続税専門の税理士が、①贈与、②名義預金、③預け金・貸付金のいずれに該当するのか、また、いずれの主張をすれば税務上最も有利になるのかも含めて総合的に検討した上で相続税申告いたします。
相続税申告の初回面談は無料となっていますので、お気軽にお問い合わせください。